プロローグ

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どうせ考えるのなら、もうちょっと面白いのにしろよ。 あれ、土曜日の夜十時頃にやっている番組の方が面白いよ。 そっちのほうがまだ飽きない。 金に欲望むき出しのあんたらは、見ればわかる。 嫌ってくらい見てきたから。 たとえば目の前の男。 私とダンスを踊っている男だ。 年は確か十九歳。 父親が父上の下で働いていた、といことあって昔から面識はある。 父親同士で勝手に決めた結婚。 こいつとその父親は、莫大な財産を欲し、くっついてきた。 父上は自分の部下を増やす、そういう意味があったらしい。 どうせなら、娘を売らずに金を使えばいいのに。 本当に要らないくらい金があるんだから。
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