144人が本棚に入れています
本棚に追加
突然目の前の男が倒れた。
がくり、と膝から地面につくというより、私に倒れ掛かってきた。
それを私はどけ、地面に倒れる男を見る。
後ろから頭部に一発銃弾を入れられている。
出血はあまりしておらず、軽く首元に飛び出た血がついているだけ。
普通横からうてば、このような血の付着はしない。
つまり、横からじゃない。
ならば、上からだ。
私は壁から徐々に上へと視線をずらしていく。
すると、案の定ガラスにひびが入っていた。
ここからじゃわからないが、恐らくその中心には円形の穴があるだろう。
犯人は外から狙撃。
ガラスを完全に割らず、そして下手に出血をさせずに殺した。
・・・・・・相当の腕らしい。
けど、まだ甘い。
本当の狙撃手ならば、ひびすら入れない。
十七年前、第三次世界大戦の最後の決戦、日本対アメリカ。
お互いの国が駒を使い、アメリカはなんどもチェックした。
けれども、チェックメイトまで行かなかった。
最初のコメントを投稿しよう!