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部屋に入るとすぐに椅子に座っている女性が見えた。
あれが岡村ナギサの母親、岡村ヨウコだ。
「こんばんは、初めまして」
¨いつも通り¨の挨拶をし顔をあげると、岡村ヨウコは色が真っ白で、本当に綺麗な姿だった。
正直岡村ナギサから話を聞いてなければ、病人なんて分からないくらいだった。
「山下くんよね？」
意外な言葉に一瞬反応が出来なかった。
「っ…と…」
「ゴメンなさいね、驚かすつもりは無かったの。」
そう言って見せる岡村ヨウコの笑顔はまるでいたずらっ子の笑顔のようだった。
「あの子から聞いてると思うけど…多分私は明日には死ぬと思うの」
二人分の紅茶を入れながら、まるで他人のことを話すように語りはじめた。
「でね、あの子には父親も兄弟もいないから、私がいなくなったら本当に独りぼっちになっちゃうの
だから…何か支えになるような人に出会ってほしかったの。」
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