〔鰐兎〕―Gakuto―

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『サブキャラの志波君と笹木君へ。 まず始めに君たちに、――ごめんねッ☆ …実は面白そうなプロローグを思い付いた。ジャンルはファンタジーで、まぁニ百歩譲って面白いと思うのはプロローグだけかもしれないがね? 【粗人形】の話を投げ出したい気分なんだよ…どうかな?』  店長から渡された手紙である。正確には店長がある人物から預けられて届いた手紙。  みたらし団子を頬張り、テーブルに肘を付いて笑顔で此方…涼and修介 、に手を振っているのがその『ある人物』であった。 修介「志波?」 涼「駄目に決まってる…よ。ね?……笹木君もそう思うよ!」 修介「俺の意見は確定したのかっ!? ………まぁ…、俺も登場早々消えたくはないけどな。…あぁ。」 涼「どうしよう…。」 修介「そうだなぁ。…ネタを提供してやるのはどうだ? 今アイツ目の前にいるし…。」 涼「提供……?」 修介「今止まってるカット。…落書きノートの後ろページに『志波&笹木編』って書いてあったな。俺は見た。」 涼「アイツもしかしてネタが全く無いのかな…?」 修介「じゃなきゃ、俺達はこんなトコに居ないんじゃないか。」 涼「…………うん。」  二人は考えた。  だが『ネタ』と言っても、アッ!!!…と言う間に思い付くものでは無いのだ。 涼「ぁ………。」 修介「どうした?」 涼「この辛子団子美味しい…。」 修介「いくら空気が重くなった、からっていい加減に発言するの止めようぜ?」 涼「うん…。」 修介「ぁ!」 涼「……?」 修介「弧亜が消えたっ!!」 涼「………………はぁ?」 修介「顔が酷い…ぞ?」  眉間に皺が寄った涼の雰囲気に軽く退く様に、修介は涼から目を離し視線を店内に彷徨わせる。  何処を見回しても弧亜の姿は無かった。 涼「弧亜捜索をイベントにしたらどうかな?」 修介「【粗人形】に弧亜はいないぞ…。」 涼「あ。」 修介「………。」 涼「三角関係を利用するのは…。」 修介「三角? ……その中に、志波と俺は確定…だよな。 じゃああと一人は? ………………………え。」 涼「頑張ってね…弧亜。愛してる。」  珍しく饒舌な涼はその時、修介が見惚れた具合確かに笑顔だった。
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