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涼「私…死んだ。」
修介「……えっと………なんて言っていいんだか分からねぇが。………ご愁傷様…。」
涼「……………ちっ。」
修介「女の子がそんな―――」
涼「チッ……。」
修介「す…ずみ……さん?」
涼「チッ…。」
修介「あー。」
涼「チッ。」
修介「機嫌直して下さい。」
涼「…………死ねば良い。」
修介「いつもの涼じゃねぇよ…うぅ。」
ご機嫌斜めの涼さん。
潰してやんよ奇土雨弧亜、お前は今から廃れた骸だぜケケケケケッ。
…顔に出ていますよ涼さん。脳内じゃ自分の著者を痛め尽くせりに違いありません。
目が赤いのは、さっきから瞬き一つしていないからですね、分かります。
修介「志波あぁぁ~…。」
修介「落ち着いたか?」
涼「ごめんね……笹木君…。」
修介「いや、此方こそごめんな。 読者に見せられない様な事させた原因を作ったの俺だし…すまん。」
涼「……笹木君…。笹木君は悪くないよ? ストレ、…気分を良くしてくれたのは笹木君だもん。……ありがとう…。」
瞳に潤いを魅せる涼さん。修介くんはやはりこの笑顔に惚惚れとしてしまうのだ。
修介「いや……ん。」
涼はクシャクシャにした写真を一枚二枚とゴミ箱に捨てていく。
涼「どうしたの?」
修介「いや…なんでもねぇ。」
クシャクシャ…。ピンと張った写真を涼は力を込めて丸める。
涼「なら……良いんだけど。」
修介「ごめんな志波…本当にごめん。」
クシャクシャと。涼はまた何十枚にも輪ゴムで束ねられた写真の束から一枚取り出し、また力を込めて丸め。
涼「なんで笹木君が謝るの? …なんで??」
修介「本当にすまん!!」
涼は分からない、といった表情で手を休める気配は無い。
涼「可笑しな笹木君。」
修介「…………ごめんなさい。」
クシャクシャに丸められた写真がテーブル一杯に散らかると、涼はまたそれらをゴミ箱へ詰める。
結局涼は、写真の束が一枚も残らなくなるまで仕事を続けていました。
涼さんの笑顔に修介くんは苦笑しかできません。
[第一話]end.
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