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愛美「そうですね。…ドリンク奢りましょうかっ!?」
須邑「……裏があるだろ…?」
愛美「おっ!!」
そう言うと、愛美は先程ベンチ横の自販機で購入した栄養ドリンク片手に態とらしく驚いてみせる。
図星になるのも無理は無い。何故なら、ドリンクを奢る、と言った時の愛美の顔は、何かしら閃いた事を露骨に感じさせる笑みだったのだから。
愛美「150円ドリンクでも構いませんからっ!」
須邑「良いって…。もう本当どうでも良いからさ。」
愛美「…………。…小説の主人公の座って、安定してて良いですよねぇ。」
須邑「何の話だ?」
愛美「……私思うんですよね。〈荒城須邑〉先輩、〈Act.1〉で『主人公』って確定してると思うんです。」
須邑「なんだ…『あくとイチ?』『あらきすおう』?? 何故に〈〉で囲まれるっ!?」
愛美「〈〉は弧亜のクリエーター的常用単語に反応するみたいです。あくまで『この小説の中だけ』…ですがね。」
須邑「へぇ、凄いな。」
愛美「まぁそんな事どうでも良いんですが…。話を戻しますよ? …先輩、〈Act.0〉じゃ語り役やってたじゃないですか。……そして〈Act.1〉で、登場シーンから描写までそのまんま主役、だって確定してますよね?」
須邑「そうだよな。」
愛美「でも…この小説書いてる人誰ですか?」
須邑「………え?」
愛美「奇土雨 弧亜、ですよね?…アイツは有りきたりな文章は書きませんよ。少しでも読者受け狙う為に……。」
須邑「…何が言いたいか読めてきたぞ。……言ったら実現しそうで怖い…。」
愛美「あら、もう分かっちゃいました? あはは…言いたいなぁ~。」
須邑「俺が主役じゃなくなる可能性がある事を言いたい訳…だな?」
愛美「確認の為に身を削りましたね…。まぁ確率の話ですよ、間に受けないで下さいねっ?」
須邑「それはもやは脅迫なのか……?」
愛美「えー? 脅迫?? なんの事ですかっ?」
そう言って微笑む愛美の笑顔は何処か楽しそうなモノだった。
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