3人が本棚に入れています
本棚に追加
冬の夕陽を背景に、小さな時計台のチャイムをBGMに、ベンチで向き合う二人の男女。
愛美「先輩。」
須邑「愛美……。」
愛美「先輩!」
須邑「ま、愛美ぃ…。」
愛美「せんぱぁぁぁい!!」
須邑「ま…まっ……愛美っ!」
愛美「有難うございますっ☆」
須邑「あぁ………。」
次の瞬間には、須邑は緊張感から解放されだらけ始め、愛美は嬉しそうにやり遂げた笑み。
あんな状況になった原因とは……先程の約束が廃棄されたからである。
良かった、のか、悪かった、のか本気で考えても分からないだろう。
須邑は、破棄された『二人で出掛ける約束(須邑命名)』の代わりに、『呼び合う青春の一頁(愛美命名)』を実行された。
愛美が『二人で出掛ける約束』の約束を取り付けてから数時間で嫌がり、『呼び合う青春の一頁』を考えたのだ。
愛美「〔鰐兎〕だっけ? ……あれ…先輩どう思いました??」
須邑「甘味屋だな。」
愛美「実はあの店…中華料理が美味しいらしいですよ。」
須邑「……は…?」
愛美「甘味処と中華料理両立してやってるって…。」
須邑「…………美味いの?」
愛美「やっぱ、下手な店行くより先輩で遊んだ方が楽しいですよねぇ。…此処遊具とかもあるんですよ?」
須邑「遊具かぁ…ブランコなら久々に乗っても良いかなぁ。 でも、俺はベンチで座ってた方が好きだな。」
愛美「突っ込みは無しなんですね。 ……でも私は向こう側にある―――。……ぁ、先輩…?」
須邑「………ぅ…。」
愛美「冷えますねぇ、ココア飲みます?」
須邑「………いえ。」
愛美「やっぱ冬は冷えます。……ねぇ?須邑さん。 コネ.デスヨ‥コネ...」
須邑「冷えるなぁ……愛美君…。」
忘れかけていた悲劇の図(by.須邑の頭脳)を思い出し、何だか急に先行が不安になる須邑であった。
最初のコメントを投稿しよう!