1、深夜の襲撃

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……遥か昔。 魔法が発達している温暖な気候に恵まれた土地にグローリー王国という小さな国があった。 グローリー王国は豊かな自然に恵まれていていて、たくさんの人々が豊富な水資源を使って田を耕したり、海から漁などを行い、そこで小さな村を作り、そして集落が形成された。 グローリーはどんどん豊かになり、やがて国のほぼ中央の海辺に首都グロリアを作り、そこで国民を代表し、王が生まれ、国を統括しはじめた。 それから数百年後、北方の大国、ギリテシア帝国が軍による支配によって、無差別にどんどんと周りの国を滅ぼし、自分の植民地にしていった。 ギルテシアは闇の魔法による無差別に人を襲う戦闘兵器生物を大量に生み出し、それを用いた圧倒的な軍事力によって、大小を問わずいろんな国々を恐怖のどん底に落としいれていった。 ──そしてついにギリテシアはグローリーの北方の隣国を滅ぼし、次はいよいよグローリーがその標的になるときがきてしまったのだ。 ギリテシアとグローリーの間には高さ5000mの山々が連なるデロル山脈があり、それが砦のような役割を果たしており、まだギルテシアからの直接的な攻撃は受けてはいなかったが、その直接的攻撃が始まるのももう時間の問題だった。 建国以来、大きな争いもなく比較的、豊かな国であったグローリーは強い軍隊というものがなかった。そこで国は出来るだけ国中の優秀な剣士や魔導師をあつめて強力な軍を作ろうという試みをはじめた。 しかしそれでもまだ戦力は乏しく、軍事力では到底強大な軍備を有するギルテシアにはかなわない。次第にグローリー国内は敗戦の雰囲気すら漂い始めていた。 そんな中、ギルテシアによる最初の侵略は誰も知らないところで起こっていた。
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