1、深夜の襲撃

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「へぇ…なかなか俺のことを詳しく知っているらしいな…誰だ?」 「…ルイナ・グロリア・ソルフィア様だ」 ルシアンはその名を聞いた瞬間、今までのふて腐れたような態度が一変した。 「ルイナって…あのルイナか!?」 ルシアンが驚く理由は二つある。 一つ、ルイナ・グロリア・ソルフィアというのは、この国の王、バートのたった一人の娘であった、一般人ではまず、お近づきになることすらあり得ないほどの高貴な身分であること。 そんな人がわざわざ呼んでいる驚かないわけがない。 二つ、ルイナ嬢はルシアンの幼い頃からの知り合い……つまり、幼馴染みにあたる存在だからだ。 「そうだ…あの方は私が貴様に招待状出すととき私に、先ほどのことを言われた。さすがに貴様が本当に断るとは思わなかったが…」 「……ん?まてよ、ならルイナは今、アルバースにいるのか?」 「…今ここにいることは一般人には内密にすることなのだが… まぁいい、確かにルイナ様は今、駐屯地にいらっしゃる」 「本当にいるのか!?」 「あぁ、くれぐれも他人には言うなよ?もし言ったときは、それなりの罰は覚悟しておけよ?」 「わかっている…。 そうか、ルイナが…アルバースに今いるのか」 ルシアンは久しぶりにその幼馴染みの顔を思い起こした。 城にいたころの懐かしい思いが急に込み上げてきた。 「どうする?ルイナ様はお前を軍の駐屯地に招くように言っていたが?」 「う~ん」 軍の駐屯地に行けば、必ず軍に勧誘されることは間違いはない。 しかし、久しぶりに聞いた、懐かしい名前はルシアンの決断を迷わせた。 「…まぁ、ゆっくり考えることだ」 兵士は再び先ほどの便箋をルシアンに押し付けた。 ルシアンが思わず条件反射で受け取ってしまうと、兵士はルシアンの家を去っていく。
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