ご挨拶

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    ご来場の皆様。 今宵は我らの劇場にお立ち会い頂き誠にありがとう御座います。 ああ、しかしこれはどちらかといえば「読み聞かせ」。 皆様方が「登場人物たち」の演技をそれぞれ想像して頂ければ、それもまた一つの演劇となりましょう。 はい、こちらにございますは分厚い本。 この作者は……まあ、それはどうでも良いでしょう。 大切なのは中身ですからね。 さて、この物語。 「ハロウィン」と「シンデレラ」を少々織り込んだ話になっております。 なので、雰囲気をより感じていただくために、皆様には舞踏会場へお招きしました。 ではでは、本を開きましょう。 えー…… 『本品 消費税込 3450\……』 …………………ビリビリビリッ 音? いえいえ、何にも聞こえませんでしたよ? ………ったく、値段表示は裏表紙にしとけっつーの。 ……ゴホンッ。 これはこれは失礼致しました。 それでは改めて。 『――ひと時の夢を叶えたシンデレラは、何故幸せそうに微笑んだのだろう』………… †開幕†
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