序章

2/3
前へ
/41ページ
次へ
     ひと時の夢を叶えたシンデレラは、何故幸せそうに微笑んだのだろう? 風でも吹けばすぐにでも消えてしまいそうな脆い魔法に、何故縋ったのだろう? ママはあたしに本を読んでくれた後、いつも言っていた。 「シンデレラはずっと憧れていたのよ。意地悪なお母さんやお姉さんたちが向かう舞踏会にね。 だから、ドレスを作って少しでも夢に近付こうとしてたの。 駄目にされちゃったけれど、それでもハッピーエンドになれたのは、夢を諦めなかったからなのかもしれないわね」 そう。 どんなに辛くても、諦めなければいつか幸せになる。 夢見る心を大事にして。 だからあたしはママの言う通りにした。  
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加