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わたしだってイラストレーターの意地とかプライドもある。
でも理由はそれだけじゃない。
わたしは似顔絵が描けないのだ。
よく似顔絵とイラストを混同している人がいる。
でもこの二つは似ているようで別の物なのだ。
似顔絵は特徴をつかんでそれをディフォルメして紙に書く。
イラストはイメージを膨らませてそれを紙の上に表現するのだ。
わたしは特徴をつかむのが下手だった。
ディフォルメするのも苦手だ。
ようすうるに似顔絵描く以前の問題なのである。
まぁ現在はこうして小説の挿絵の仕事が来ている。
今のところはそれをやることはない。
今回の仕事は上川書房の「Theフェニックス」というライトノベル雑誌に掲載される作品のものだった。
ライトノベルというのはティーンエイジ向けの小説のことを指す。
20年ほど前まではテレビアニメなどのノベライズがほとんどだったらしいけど現在はオリジナル作品がたくだんある。
テレビアニメや映画にもなって今では『ライトノベル』というメディアを確立するにいたている。
このライトノベルというジャンルは他の文芸作品と違ってイラストが大きな意味を持っている。
このイラストで作品のイメージが大きく左右されてしまうといっても過言ではない。
だから小説なのにキャラクター設定のイラストが必要とされるのだ。
最近はライトノベルでゲームやアニメのような萌え系のキャラが表紙を飾ることが多くなったのは時代の流れだろうか。
この雑誌は全部読みきりだ。
だからといってけして楽なものではない。
今は昨日の打ち合わせで決まったことをもとにイラストを書いている
今回は表紙になるカラーイラストが1つと文中に入るモノクロのイラストが2枚。
現在書いているものは表紙用のカラーイラストだった。
ちなみキャラのほうは編集部の担当の方にファックスして事前にOKをもらってある。
まず最初に鉛筆で下書きを書きしそれにペン入れする。
この際、マンガ家と同様にGペンというつけペンを使用する人が多いがわたしは0.3ミリのミリペンを使用する。
その方がインクを何回もつける作業から開放されてスムーズにいくような気がする。
その作業が終わったらスキャナでパソコンで取り込む。
このとき鉛筆描きのまま取り込むときはコピーをとうしたものをスキャニングするとよい。
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