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そして 手が目の前に来て『鷲掴みにされる…』と覚悟した瞬間 その手はフッと消え去りました。
ゆっくり視線を畳に向けると、血の跡も無い…
綺麗に消えていました。
不気味な体験をして、胸騒ぎをおぼえて眠った翌朝、あの大震災でした。
大震災から数年が経ち、ある人に この話をしたら、
『その手は震災で亡くなった人達の無念さやね。 時間を超えて、あなたのところに来たんだね』
と言われました。
あの手を見ていて 恐怖ではなく、ただ哀しさを感じたのを覚えています。
害意のあるものは全力で排除し身を守りますが、そうでないものには、下手に触らない 動かないのが、私の経験から学んだ事でした。
私には何もしてあげられないのに…という思いと、それでも伝えたかっただろう人達の事を考えると恐怖はありません。
自然災害時の人間の無力さを ただただ思い知らされた震災体験でした。
この話もモバ友から提供していただいた話です。
阪神淡路大震災では 多くの人達が一瞬で亡くなりました。
その場所で震災を体験し、生き延びた人達は一生忘れられない出来事だと思います。
震災を予知した人の話は多数聞いていますが、今回の話も 虫の知らせの一種だと思います。
人間も野生動物と同じように、自然災害を感知する能力を元々は持ち合わせていたんだと思います。
しかし 便利な生活、安全な社会、武器などの開発によって食物連鎖の頂点に立った現在、そのような能力は無くなってしまったのかもしれません…
一部の霊感のある人を除いては…
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