おじいちゃん

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おじいちゃん

今年の5月末のお昼頃… 編み戸にして寝ていたら、急に耳元で『はぁ はぁ』と苦しそうな男性の声が聞こえてきました。 私は一人暮らしで一階に住んでいるので、最初は泥棒かと思い、飛び起きましたが 誰もいませんでした。 その日から 今まで肩凝りになった事の無い私が急に肩凝りになり『なんだろ?』と思いながら過ごしていました。 肩凝りが治らないまま、数日過ごしていた ある日… すぐ近くで救急車の止まる音が… その音が聞こえた途端 私の肩凝りが急に治りました。 そして外が騒がしくなり… 何事かと思い、外に出てみると、救急隊員や不動産会社の人、警察や近所の人達が私の住むアパートの周りに集まっていました。 近所の人に何事か聞くと… 私の部屋の左上の部屋に住む、一人暮らしのおじいちゃんが亡くなって 今さっき発見されたと知りました。 亡くなったおじいちゃんとは 凄く親しかったわけではありませんが、会えは雑談したり、アパートの最上階で花火を見たりしていました。 凄く笑顔が素敵で優しいおじいちゃんでした。 後から知った事ですが、私が『はぁ はぁ』と苦しそうな声を聞いた日は おじいちゃんが亡くなった日だったそうです。 この出来事は偶然かもしれませんが、おじいちゃんは私に見つけて欲しかったのかな?と思いました。 今でも ときどき あのおじいちゃんの穏やかな笑顔を思い出します。 この話もモバ友から提供していただいた話です。 最近はお年寄りの孤独死のニュースをよく耳にします。 たぶん お年寄りの孤独死は これからも増え続けていくことと思います。 この現実の流れが変わるのは まだまだ先のことだと私は思います。 もしかしたら このおじいちゃんは自分の孫娘と体験者のモバ友をダブらせたのかもしれません…
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