あなたの知らない世界 第三夜

整体④

『整体しているのは 私だけの力ではありません。』

「ﾁｶﾗ…ですか？」

『矯正をしている間、あなたが正常な骨格に戻るまで受けるはずの痛みは、ずっと私にきています。』

『ですから あなたに痛みはないですし、あなたが正常になると私の痛みもなくなるんです。』

四畳ほどの部屋には 小さな神棚があり、電球のロウソクがつけてある。

それと同じような神棚が頭上に もうひとつ…

それを見て、なんとなく そのﾁｶﾗの根源を察しました…

『私だけのﾁｶﾗで整体するのなら、２人が限界です…』

『毎日、10人は患者さんが来てくれますから、私だけのﾁｶﾗでは 身体が持ちませんよ。』

「整体するのって体力いるんですね…」

『そうです。 今は22体ほど ココにいます。阪神大震災のときは３体残して、すべて向こうに行きましたけどね。』

『今は すべて帰ってきました。 そして最近また、弁天様や観音様など、何体か降りてきました。』

凄い数…

ていうか、移動するん…？？？

「前から、そのようなﾁｶﾗがあったんですか？」

『多少はあったと思いますが、ある日突然２体が降りてきました。』

『それを期に 床屋を辞めて整体をやるようになったんです。』

『失礼ですが… あなた… これまでいろいろあったんですね。』

ん …

過去にはいろいろあったけど…

もしかして… 見える…？？？

⑤に続く