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この話は 東京のお寺で 葬儀を施工したときの出来事です。 その寺は 東京のお寺の中でも かなり有名で、誰しも一度は 耳にしたことが あると思うような お寺です。 うちの会社の社員も4名が施工にあたり、派遣の葬祭スタッフも数名いました。 通夜が終わり 『夜のお寺は気味悪いよなぁ』なんて話しながら片付けをしていると… お寺の敷地内にある公衆トイレの電灯が 点灯したり消えたり… 私は 『電灯が切れかかってるのかな? 気味悪いなぁ』 なんて思っていると、トイレの壁の上部の開口部から、子供らしき 人の顔が… 真っ赤な目で 私達の方を見詰めていました。 その開口部は、地面から2㍍50㌢位の高さにあります。 私は通夜のセッティングをした際に何回か そのトイレを使用していたので、その場所に足を掛けるものなど何もなかった事を確認していたので… 近くにいたゲジに 『よぉ… ゲジ… ゆっくり振り返って公衆トイレの上にある開口部を見てみろよ…』 ゲジは 『なんですかぁ~… なんかあったんすかぁ』 ゆっくり振り返ったゲジは開口部を見詰め 『… … …』 『子供… ですよね…』 私とゲジは2人で、その子供は この世のものではないことを一瞬で感じとりました… そして その子供は数秒後消えるように居なくなりました… すぐに 副住職に、この出来事を話したら… 『まだ幼い男の子かな?』 『あのトイレは数年前に 殺人事件があって…』 『幼稚園児が絞殺されたんですよ』 私達は、さっき見た 目の赤い子供は、その子だと確信しました。 首を絞められた為に 目が赤かったのだと… そして 副住職は、まだ犯人が捕まってない事も教えてくれました。 もしかしたら あの子供は、犯人が捕まるまで あのトイレに居続けるのかもしれません… 今も 犯人を見つけようと、トイレから見詰めているのかもしれません…
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