帰宅

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その日、彼の部屋で血まみれの服のまま… 理解なんて出来ない。 彼の弟、正則が、私と手をつなぎ、ずっと一緒にいてくれました。 寝ることも 横になることもなく 2人で 座って 会話もなく ただただ 座っているだけ。 どれぐらい時間が過ぎたのか下の部屋で音が… 彼のお父さんが帰って来たと思い 立ち上がると 二階に上がって来る音が。 ドアの前まで来ると、「●●開けて」と声が、私は ハッとしました。 彼の声です… 正則も その声を聞き、 「開けちゃダメ~だ~」 手を離してくれません。 それどころか、私を抱きかかえ すごい力で 壁に押し付けました。 彼は、私だけじゃなく 正則までを 呼びました。 正則は 「兄貴は、間違っている。もう、ここに来ちゃあダメなんだ」と叫びました。 私は、 「どうして そんなことを言うの? 帰って来たんだょ。あの事故は 間違えだったんだょ」 と言いましたが、 正則は、 「あれは兄貴だよ。間違ってない」 ドアを叩く音が響き渡り、、、 「兄貴ダメなんだぁ。兄貴は、ちゃんと行くところが あるだろ? ちゃんと ちゃんと」 そこからは 正則も泣いていました。 玄関が 開く音がし 今度は 本当に お父さん お母さん 4人が 帰って来た。 私の、お母さんが 着替えを持って部屋に入って来ました。
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