父親

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容体が急変したからすぐ来てくれと連絡があり、急いで病院に駆けつけたんですが、すでに心肺停止の状態… 父は瞳孔が開いていて、すでに脳死の状態… 人工呼吸機が付けられており、もう手遅れでした。    次の日の朝一で姉が帰省するらしく最後に看取る時は、家族全員で看取ろうと話をして、兄と母を待合室に寝かせた後、もう動かなくなった父の手を握りしめていました。 私が少し離そうとした時、動かないはずの父の手が私の手を握り返してくれたんです。    意識の無い父は、最後の力を振り絞って、泣いてばかりいる私にお別れを言いに来てくれたんだと少し嬉しくなりました…   思えば父と手を繋いだのは小さい頃だったと思い もっと親孝行しとけば良かったと後悔しました。
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