消えた車

4/6
前へ
/178ページ
次へ
初めは、たわいもない 会話をしてましたが あの日の話になりました。 男性は、彼氏の仲のいい友達で 大学の時からの友達。 私は、社会人になってから 会社の人に紹介され 付き合いだしたと話ました。 あの日、 「2つ目のトンネルで アイツの声で、逃げるんだ」と聞こえたことを話てくれました。 私も、「彼氏の声で、逃げるんだ。逃げるんだ。」と聞こえたと言いました。 「もう1度 あのトンネルに行かないか」と言われ、私は、正直怖いけど、どうなっているのかは 知りたいって気持ちはありました。 警察も、とうに 事件性は ないといい、捜索もやっていない状態でした。 男性の車に乗り、あのトンネルへ… 坂道を登って行くと、途中で 行き止まりに。 顔を見合わす私たち… 車は行けないけど、隙間を通れば歩いて入れそうだから ここからは 歩いて行きました。 山の中だけに、草がいっぱい。 虫がいっぱいで、虫嫌いの私にしてみれば、拷問でした。 歩いて、10分ぐらいするとトンネルが見えて来ました。 トンネルの前に立つと、真夏日なのに、鳥肌が立つぐらい寒い風が。 トンネルの回りを、見渡すと、獣道みたいな 細い道がありました。 あの時は、気付かなかった獣道… 私は、彼を呼び、「行ってみる?」と聞くと 「行ってみょうか」と 彼が前を 私が後ろを付いて行きました。 風が 道を作るみたいに 草木が揺れて怖くて怖くてしかたありませんでした。 20分… 30分ぐらい歩くと 小屋が見えて来ました。
/178ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11645人が本棚に入れています
本棚に追加