20人が本棚に入れています
本棚に追加
「……ここにもいないか」
俺と観鈴は神社に来ていた。
……人影はない。
聖の診療所、廃駅、美凪の家……
思いつくところに行ってはみたが、やはり誰もいなかった。
「………聖も佳乃も美凪も街の人も、晴子さんも……どこに消えちまったんだ……」
「………学校。」
観鈴が無拍子に言葉を発した。
「え……?」
「学校なら、誰かいるかも……」
……学校。そうだ。観鈴の学校だ。
学校ならば、観鈴の言う通り誰かいるかもしれない。
「……よし。それじゃ学校に行ってみよう」
日は、すでに傾きかけていた。
最初のコメントを投稿しよう!