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「貴方が私の王子様なの?」
俺は生まれてこの方受けたことの無い衝撃を受けた。
多分、これから生きていく中でも最上級の衝撃だと思う。
「んっ、おっ王子様ぁぁぁぁ」
完全に驚きを受け止め切れないでいる俺を尻目に、この少女はどんどん話を大きくして行く。
「だってだってだって、一日に二回もしかもめったにめったにめったに来ないスラム街で救われたんだよ。どう考えてもどう考えてもどう考えてもどう考えてもどう考えても、運命の王子様に間違いないじゃない」
俺が事実を受け止めきれず
「いやいやちょっと待ってよ」
と言ってもそんなこと全くお構い無しの様子で
「よし。もう決まったんだからお母様にお父様、伯母さまに伯父様、従兄弟のケイ君にミカちゃんとか、後他にも」
そこに言葉を被せる様にして俺は
「ちょっとストーーーーップ。妄想は良いけど俺には付き合うつもりも無いから。てか名前も知らない相手との結婚なんてありえないだろ。ではさようなら」
と別れの言葉を残して全力で家までダッシュで帰り、家の戸締りを完全にしてから、その日は早く寝る事にしたが、なかなか寝付けなかった、しかし仕事の疲れも有ったので、夜もふけてくる頃になると自然と意識
が途切れていった。
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