アリストテレスの自然階級説

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しかし、科学の進歩によって地球が太陽系の中心ですらない事を知った時、神話に疑問をもつ科学者も現れた。 生命誕生の謎を解明する研究は、宗教の教義に疑問を抱く異端な行為であった。 科学者よりも宗教家が権力をもっていた時代は長く、この分野の研究に周囲の理解が得られる事はなかった。 当時ヨーロッパで最も力をもっていたキリスト教でも聖書の中で「神が生物を創った」と断定しており、科学者や物理学者もこれを肯定していたのである。 18世紀のヨーロッパで化石の研究が盛んとなり、すでに地球上に存在しない多くの動物種が確認され「生物は発生し、絶滅する」と言う概念が提唱された。 この説を唱えたのは比解剖学者キュビエであるが、彼でさえ生物の発生は神によるものと信じていた。 しかし、化石が発掘される地層の成立年代を研究する内に、地球の起源については明らかに聖書の記述にある天地創造の時期と矛盾する事を知る事となった。
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