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その途端に―バシッと何か物を叩く音がした。
「何が願いだっこのスケベ野郎が…さっさと風呂に入ってこいっ!」
真っ赤に顔を染めて、晃司を睨んでいる泉は怒鳴ってテレビに視線を変えた。晃司は仕方なく、さっさと温泉に向かっていった。
そして、出てきた頃には泉は身体を横にして、寝息を立てていた。
それを見た晃司は、風邪をひかないように泉を抱え上げて、隣の部屋に敷かれた二組の布団に連れていく。片方に寝かせて薄い掛け布団を身体に掛けると、その拍子に寝返りを打ち額を曝した泉に顔を寄せて、優しく口付けた。
顔を上げた晃司は愛しそうに泉の安心仕切った寝顔をみて、笑みを浮かべた。
しばらく一人酒をした後に晃司も布団に入って、泉の隣で静かな寝息を聴きながら眠りについた。
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