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針金の様な少女だった。
14歳といった所だろうが、実際には10歳にも18歳にも見えた。
膝を抱えている大人の様な、怒りに満ちた子供の様な、どこか不思議な少女だった。
白いワンピースが眩しい。
ショートボブにしては不揃いな毛先は、ライオンの子供の様で滑稽だったが、かえってその艶やかさを引き立てていた。
閉じられた薄い唇は僅かに震えている。
大きな両の瞳は、左右の色が違って見えた。
オッドアイなんだろう。
おまけに涙を浮かべている。
「ビールを飲まないか?」
男は言った。
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