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次に口を開いたのは少女だった。
「1つ聞いてもいい?」
「Your Welcome」
男は発音が良い。
少女は微笑んだ。
天使ってのは金髪で、太っちょなんじゃなかったのか?
「わたしのこと、可愛いと思う?」
あまりに唐突な質問に、男はおどけながら答えた。
「客観的に見れば、可愛い部類に入るだろうな。
学年に1人、いるかいないか位のレベルだよ。
俺の時にはいなかった」
「ママは可愛くないって言うの」
「それは仕方ない。大人ってのは自分に似た者をなかなか受け入れられないんだ」
「この髪もママが切ってくれたの。わざと下手くそにね」
「個性的だよ。ピカソだって初めから理解されてた訳じゃない」
少女は怪訝そうな表情を浮かべ、男の顔を覗き込みながら言った。
「どこの口がものを言ってるの?」
「おかしな事を言うね。俺の口は一つだけだったはずだよ。
ビールを飲む口で君を励ましてる」
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