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      「陽介――!!」       ドアを勢いよく放ち、一人の少女が俺の名を呼んだ。     でも、俺は相手がわかっているにも関わらず、返事をしない。     だって、眠いんだよなぁー…。         「あれ?陽介?居るんでしょー?おーい!」     「……………何…?」   「陽介!!やっぱりいたー!」       流石に五月蝿く思えて、俺は渋々声を発した。     少女は俺のいる屋上のドアのちょうど上にあるスペースで寝っころがった状態の俺を見上げて、指を指した。     人に指を指しちゃ行けません、って親に言われなかったか?と突っ込む。     そうすれば、ぷくぅとフグみたいに少女は頬を膨らませる。     まるで、親におねだりしたが、その結果に半分不満のあると言いたげなどっかの子供だ。         「……で?何さ、千秋?俺、寝たいんだけど…」     頬を膨らませた少女、幼馴染みで己の意中の相手である三浦千秋に質問をした。     「ん~?次の授業、先生が出張でいないから自習になった、って伝えに来たのが1つ。で、だからあたしも昼寝し(サボり)に来た、ってののふたぁつ♪」     千秋はそう言って、壁に備え付けられた少し錆び付きだした鉄製の梯子をを慎重に登って、すぐ隣まで来ては腰を落ち着かせた。      
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