夕飯を食べに行き…

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店員は明らかに困っている。その困った顔を見て、もう押すしかないと思った僕は、 「学生証置いて行くんで、すぐ払いに戻ってきます。」 生きてきた中で1番恥ずかしい時間だった。店員の顔なんかもう見れません。ホントに下しか見れません。 「あ…分かりました。」 店員も困りながら返事をくれた。 すぐに来ますと言い残し、僕は焦りと恥ずかしさから逃げるように立ち去り、バイト先まで車をすっとばした。 バイト先に着いて、仕事中の友人の元へ走った。 「どうしたの?」 いきなり現れた僕に当たり前の質問だった。 僕は他の人に知られたくなかったから、友人をちょっと裏へ呼んだ。 そして、すべてを話した。僕は今だけお金貸して下さいと頭をさげた。 友人は腹を抱えて笑っている。笑いながらも千円貸してくれた。 ホントにすみません。 そして僕は、時速80㌔くらいの速さで牛丼屋に戻った。そして、謝りながらお金を払った。 あの時の半笑いの店員の顔は忘れられません。 この事件以来、僕は出掛ける前には必ず財布の中身を確認しています。 みなさんも気をつけて下さい。 ちなみに、あれ以来この牛丼チェーン店には行っていません。
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