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軽い。軽すぎる。
大袈裟には言ってはいないつもりだ。
本当に軽い。
無防備な彼女は何時も見る彼女とは違っていた。
あの鬼の副長には見えない。寧ろ今は………………
「…………綺麗だ。」
心にもなくそう呟いた。
ぽかぽかと太陽が照る縁側に彼女を降ろすと、伊東はその隣に寄り添う形で、
座った。そして土方に軽く触れるだけのキスをすると、眼を閉じた。
彼女と同じ夢を観れることを祈って。
数十分後、帰ってこない伊東を捜し、二人の姿に驚く近藤が声を上げたのは、誤算だったと思うのは先の話である。
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