無防備

3/3
前へ
/14ページ
次へ
軽い。軽すぎる。 大袈裟には言ってはいないつもりだ。 本当に軽い。 無防備な彼女は何時も見る彼女とは違っていた。 あの鬼の副長には見えない。寧ろ今は……………… 「…………綺麗だ。」 心にもなくそう呟いた。 ぽかぽかと太陽が照る縁側に彼女を降ろすと、伊東はその隣に寄り添う形で、 座った。そして土方に軽く触れるだけのキスをすると、眼を閉じた。 彼女と同じ夢を観れることを祈って。 数十分後、帰ってこない伊東を捜し、二人の姿に驚く近藤が声を上げたのは、誤算だったと思うのは先の話である。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

64人が本棚に入れています
本棚に追加