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「偉いわね。『俊明(としあき)』くん」
その聞き覚えのある声に反応して後ろを振り向いた。
そこには、僕より少し背の高い大人の女性が立っていた。
「何がえらいの? 野中先生」
彼女……担任の野中先生の言っている意味が解らず、僕は質問した。
「あなたはそのゴミ箱を一生懸命洗っていたわ。途中から見ていて何度も声を掛けたのよ」
「そうだったの。気付かなくてごめんなさい」
大して悪びれもなくそう言って、僕は話を続けた。
「ここに書かれている文字が気になったんだ」
と言って、まあまあ綺麗になったゴミ箱に書かれた文字を指差した。ゴミ箱には大きな文字で『DUST BOX』と書かれており、BOXはボックスと読めたけどその前の文字が読めなかった。
「ダスト・ボックス。つまりゴミ箱よ」
僕の心を読むように先生が言った。
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