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「はぁ、ケーキは諦めるとして、何故にみんな揃って俺の部屋にいるんだい?」
「そんなの決まってるでしょ」
「だよな。勿論、俺を気絶させたことに罪の意識を感じて」
「るわけないでしょ」
自分の考えをスッパリと切り捨てられたことにレノスは口を半開きにして固まる。
「おまっ、セイラおまっ‥いや、予想はしてたさ。けど少しくらい罪悪感というものをだな」
「あんたを殴るより蚊を叩くことのほうが罪悪感を感じるわよ」
「俺は蚊以下なのか!?痛くないようにだかなんだ知らんが人の体に唾を吐きかけ、そのうえ無許可で血を吸っていく不届き者以下なのか!?」
「ああ、なんかそれ聞くとあんたが可哀想ね。しょうがない、蟻以下にしてあげるわ」
「もういいです」
真剣な戦闘以外ではまったくセイラに勝てる気のしないレノスだった。
「って、んなこたぁこの際どうでもいい。なんで俺の部屋にいんだ?」
「明日の作戦会議だよ」
「おお、そうか。教えてくれてありがとな」
レノスはそう言いながらクレアの頭を撫でる。
勿論クレアは、嬉しくなんてないんだから、といいながらも顔を赤くし、嫌がる素振りなど皆無だ。
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