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「他の奴らは?」
「リビングにいる」
「そっか。んじゃあ俺らも行くか?」
「うん」
レノスはベッドをおり、部屋の扉へと向かう。
近づくにつれ、聞こえてくる楽しそうな話し声――とカチャカチャと食器同士が当たる音。
後者の音に不安を抱きつつレノスは扉を開けた。
レノスは絶句した。
そこには、ケーキを食べながら紅茶を啜り、優雅なティータイムを過ごしている3人がいた。
「おい」
「ん?レノス起きたのか」
「ああ起きた。それよりだ、そのケーキはどうしたんだい?」
「冷蔵庫に入ってたから食べさせてもらったわ」
セイラの言葉にレノスは顔を伏せる。
その肩はプルプルと震えており、若干の赤いオーラが滲み出している。
「ざけんなゴラァ!それは俺が後で食べようと、2時間も並んで買ったケーキだぞ。それを無断で食べるとはどういう神経してんだ!?」
「うっさいわね。いいじゃないの。ケチケチしないでさ」
「テメッ……お前には血も涙もないのか?あれか?鬼女かお前は?」
「誰が鬼女ですって?」
「何でもないです。調子のってすいません」
セイラの漆黒のオーラにレノスの赤いオーラは一瞬にして沈静化された。
あのオーラはもはや人間のものではない――Rさん恐怖の体験談より抜粋。
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