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「いつまでやってんだ?」
ライルはかれこれ数分間クレアの頭を撫で続けているレノスに呆れたように言う。
「いやぁ。なんかやめるタイミングがわからなくて……」
「なんじゃそれ」
「あんな奴ほっといて始めましょ」
セイラの言葉にライルは頷くと、セイラが椅子にかけなおす。
フィーネも椅子に座ったが、その視線は終止クレアの頭を撫でているレノスを向いていた。
「さてと、陣形はサバイバル演習のときと同じでいいわよね?」
「まぁいいんじゃないか」
「でも今回はレノスもそれなりに戦える」
「たしかにフィーネの言う通りね」
「俺は戦わんぞ」
思案顔で首を捻るセイラとライルとフィーネにレノスはサラリといい放つ。
手はすでにクレアの頭から離れており、ちゃっかり椅子に座っている。
隣には今だに顔を赤く染めているクレアが座っている。
「どういうことだ?」
「どうもこうもないさ。クラス代表決定戦程度で俺が戦う必要ないだろ?実際、お前らに勝てる奴はうちのクラスにはいないさ」
そう言われてる悪い気はしないセイラ達だったが、やはり腑に落ちない。
「お兄ちゃん、なんかいいように言いくるめようとしてるけど、めんどくさいだけだよね?」
「そっそんなことあるわけないじゃないか」
口ではそう言っているが図星だったらしく、冷や汗は流れ、言葉はドモっている。
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