70777人が本棚に入れています
本棚に追加
そんなレノスをジトッとした目で見るセイラ達。
「うっ」
耐えきれずにレノスは呻きながらフィーネなら‥と視線をフィーネに移す。
だが予想に反して、フィーネもセイラ達と同じ目でレノスを見ていた。
(なにこれ?フィーネ最近反抗期なのか?)
「レノス……私、反抗期じゃない」
「えっ?なんでわかったの?」
「……企業秘密」
「企業じゃないだろ。おもくそ個人だろ」
「細かいことは気にしない」
「はぁ」
レノスは盛大なため息をつく。
『レノスも大変ね』
(ルナミスか。最近話しかけてこなかったじゃないか)
久方ぶりに頭に響いた声にレノスは若干驚きながら頭の中で言葉を返す。
『シルヴァが風邪拗らしちゃって』
(精霊も風邪ひくのかよ)
『滅多にひかないけど、ひくわよ。数十年に一回くらい。数が少ない分、一回ひくと数ヵ月は治らないのよ』
(そりゃ大変だ。シルヴァはもう大丈夫なのか?)
『ええ、もともと熱はすぐ下がってたし、咳と鼻水もやっと収まったから。今は寝てるわ』
(そっか。ルナミス、ありがとな)
『別にどうってことないわ』
(むっ。前までなら『べっべつにどうってことないわよ』って顔を真っ赤にしながら言うはずだったのに)
『私だって成長してるのよ。それにレノスの妹とキャラかぶっちゃうし』
ルナミスの言い分にレノスは苦笑する。
それと同時に奇妙なものを見るようにレノスを見るセイラ達に気づく。
(やばっ。ルナミス、シルヴァが起きたら教えてくれ)
『了解』
(サンキュー。愛してるよ)
『なっなに言ってんのよ!!』
レノスはルナミスの対応に再度苦笑しながらセイラ達に思考を移した。
最初のコメントを投稿しよう!