淋しき瞳の異端者

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「どうした?」 シュバルツは俯いているルナを不思議に思ってたのか声を掛けた。 「何、してるの?」 ルナは真っ赤な顔を見られないように、顔を俯いたままシュバルツに質問した。 「体を洗っている」 シュバルツは、さも当然だと言うようにルナに答えた。 「ふ、服を着て…」 ルナは俯いたままシュバルツの足元にある衣服を指差した。 「…?…変な奴だ」 シュバルツは首を傾げながら水から出て服を着る。 やはり少しは気になるのかルナは横目でシュバルツをチラリと見る。 しかし、その瞬間ルナは息を呑む。 シュバルツの身体には至る所に痛々しい傷跡が存在していた。 中には、まだ完治していない 真新しい傷もある。 「シュバルツ…それ…」 ルナは、そのあまりの傷の多さに言葉を失う。 「ん?…あぁ、これか」 シュバルツは自らの身体を見回し、興味無さげに呟いた。 「これがどうした?」 シュバルツはルナの言動に疑問を抱いたのか、首を傾げる。 「凄い数…」 ルナは心配そうにシュバルツの体中に目を配る。
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