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「ぇ…」
その中に聞き覚えのある声が
混じっていたことにルナは驚きを隠せないでいた。
そして、暫くすると、ようやく砂塵が薄れ、声の主達の姿が
露わになる。
すると、そこには二人の男と
女性一人がルナ達三人を庇うような形で立っていた。
その人物達とは…
「クロメル…」
「なんとか間に合ったな。」
武装中立組織:レヴァイザー指導者クロメル=ルーガイト
「総統ッ」
「よく頑張りましたね…リナス。」
治安維持組織:レテイン総統
ティアリス=ランカート
「ギメル…様…」
「この馬鹿が…」
反政府革命組織:マリシャス王座
ギメル=バーガス
各大組織を取締る三人の人間達だった。
「どうし…て…」
ルナは、あまりの驚きに言葉を
詰まらせると、不意に崩れるように意識を失った。
「…ルナ!…無理もねぇか…」
ルナの体を見れば、彼女が無理をしていたことは一目瞭然。
恐らくクロメルが現れたことに安堵し、緊張の糸が解けたのだろう。
クロメルは気を失ったルナを優しく
抱え、近くの木に持たせ掛けると、徐にギメルの方を向いた。
「久しいな…。
残念だぜ…こんな場でもなきゃ酒でも交わして楽しめるにな…」
クロメルは目を細めながら、親しげにギメルに話し掛ける。
「ケッ…誰がてめぇ何ぞと…。
消えろ…さもねぇと、てめぇ
から斬るぞ。」
だが、一方のギメルは炎の如く
赤い髪を揺らめかしながら、クロメルに対し敵意剥き出しで睨み付けていた。
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