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「…………………」
その頃、別の場所ではシュバルツがジェイクの剣を受け止めていた。
「クククッ…鉄は断てても、我らが定<サダ>めは断ち切れんようだな。」
ジェイクは不敵に笑いながら、剣圧を徐々に強めていった。
「…………………」
だが、どれほどジェイクが力を強めようと、シュバルツは微動だにせず、平然とそれを受け止める。
「(やはり、この程度の力では無意味か…。)」
ジェイクは諦めたように力を抜くと一気に後方に飛び退き、シュバルツとの距離を取る。
シュバルツは特に追う仕草も見せず刀を下に傾け、今度はしっかりと焦点をジェイクに合わす。
「(なんと鋭い眼光…目が合っただけで切り刻まれそうだ。
それに、あの凄まじい斬撃…。)」
先程まで焦点の合ってなかった瞳は今や真っ直ぐと自分を見据えている。
「(クククッ…やはり貴様を“生かしておいた”のは正しかった。)」
ジェイクは高揚感にも似た感情に浸っている時だった…。
不意にシュバルツが体を微かに前へ傾けた。
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