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「(…来るッ!)」
ジェイクは瞬時に雑念を消し去り目の前の相手だけに意識を集中させると、シュバルツは僅かな砂埃を上げ、姿を消した。
「(…後ろッ!)」
だが、今度はしっかりと気配を感じ取ったジェイクは、振り向き際に後方へ剣を振り下げる。
すると、耳をつんざく金属音と共に、剣を受け止めるシュバルツの姿が再び現れる。
初撃を防がれたシュバルツだが、彼はここで攻撃を止めることなく、瞬時にジェイクの横腹に強烈な蹴りを放つ。
「…ぐっ!」
もろに蹴りを受けたジェイクは苦しそうに声を漏らしたが、宙に投げ出されることなく地面を滑り、衝撃を耐え抜いた。
しかし、次に顔を上げた時、視界にシュバルツの姿は無かった。
「(見失っただとッ…)」
敵影<テキエイ>を見失ったジェイクが焦燥して辺りを見回していると、突如視界の隅に黒い影が横切った。
「…そこかッ!」
ジェイクはすぐさま剣を振ろうとした…だが、その瞬間、いきなりシュバルツがその右手首を掴んだのだ。
「(なっ!?…此奴ッ…)」
予想外の出来事にジェイクが唖然としてる中、シュバルツは腕に力を入れた。
「…………………」
そして、そのままシュバルツは凄まじい勢いでジェイクを投げ飛ばす。
「くっ…」
宙に投げ出されたジェイクは忌々しげにシュバルツを睨み付けていた。
だが、次にシュバルツが取った行動を見たジェイクは驚きのあまり目を見開いた。
「…………………」
なんとシュバルツは空中に居るジェイクに向かって手に持つ刀を無造作に投げ放ったのだ。
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