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「(刀を投げただとッ!?)」
ジェイクは自分を射殺す為、高速で迫り来る刃に驚愕の眼を向ける。
だが、そうしている間に刀とジェイクの間隔は無くなり、最早その距離は無いに等しい。
「…クッ!」
それでも咄嗟<トッサ>に身を翻しすと、刀はジェイクの頬を掠<カス>め、後方の木に鍔際まで深々と突き刺さる。
しかし、彼は気付かなかった。
刃を避けた瞬間、自分の真下に黒い影が来たたことを…。
そして
「…がっ!?」
突如、ジェイクの背部に凄まじい衝撃が走り、低空を飛んでいた体は一気に高空へと飛ばされる。
「(いつの間にッ!?)」
全身に襲い掛かる激しい風圧でようやく現状を理解したジェイク。
そんな彼が次に目にしたのは…
上空で自分を待ち構えるシュバルツの姿だった。
「…!」
空中では避けることは叶わず、更に今の位置関係では防御態勢を取ったところで大した効果は期待出来ないだろう。
最早、ジェイクには成す術がなかった。
既に臨戦態勢に入っていたシュバルツは何の躊躇もなく、呆気に取られているジェイクに凄まじい威力で脚部を叩き付ける。
雷の如く響き渡った轟音は地を駆け、砂塵は森林の遥か上空まで巻き上がる。
人知を凌駕した戦いが繰り広げられていた。
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