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「ぅ…」
そのクレーターの中では、今まで声一つ発しなかったシュバルツが、呻<ウメ>き声にも似たものを発していた。
さらにシュバルツは足を痛めたのか刀を地面に突き立て、なんとか体を支えている状態。
そんな中、シュバルツの視界を突如影が覆う。
「…!」
そこには空から降り立ったジェイクが冷ややかな目付きでシュバルツを見下げていた。
「…………………」
そして、ジェイクはそのまま無言でシュバルツの下顎に手刀を叩き込み、クレーターの場外へと弾き飛ばします。
クレーターの外へと飛ばされたシュバルツは力無く地に叩き付けられ、その拍子に手から離れた刀が前方に転がる。
「…………………」
まだ意識があるのか、シュバルツは目の前に転がる漆黒刀に震える手を伸ばす。
だが、次の瞬間…
突如、天から急速落下してきた剣がその手を貫いた。
「…ぐッ!」
深々と突き刺さる刃。
その激痛にシュバルツは一瞬だけ顔を歪めた。
「痛みを感じ始めたか…。
どうやら自我が戻ってきたようだな。」
ジェイクは後方からゆっくりと近付きながら、苦しむシュバルツを観察するかのように見据える。
そして、彼はゆっくり表情を変えながら口を開いた。
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