廃村

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私と凌弥は、外に出た。 「二人共、何処に行ってたの??」 息を切らしながら走って来た私達を見て驚く姫禾。 「姫禾……此処から逃げよう??」 「「はぁ?」」 私以外の誰もがそう言った。 「どうしたんだよ、佐伯…」 きょとんとする裕真。 「いいから…早く!!」 私は皆の目を見ながら言った。 そして私達は、此処を離れる事になった。 「美和…何か見たのか?」 凌弥が、私に問い掛けてくる。 「……凌は、何も感じなかったの? あたしは、あの家で何かを感じた… 誰も居ない筈なのに、視線を…殺気を感じたの…」 私は、声の調子を落とした。 「……殺気?」 「…うん。あたしの目の前から…」 「何だよそれ…」 凌弥も、声の調子を落とした。 「分かるわけないじゃん… でも、これだけは言える… 此処……何か変だよ…」 「ねぇ、皆!これ…」 私と凌弥が話しをしている後ろで、李那が声をあげた。 「何、李那??」 「これ…何か書いてるよ? なんとか村って…」 李那が掲示板のような物を示す。 「閑…神村(シズカミムラ)??」 梓が掠れている文字を読みあげる。 「俺、それ知ってる…確か…何年か前に廃村になった村だ…」 裕真のその一言に、私達は息を飲んだ…
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