出発

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「なんだよ美和。そんなに驚いて…」 私の反応を見た凌弥が、不思議そうに呟く。 「別に…なんで凌が前なんだろうなぁ~って思っただけ。で?」 私は、意味もなく凌弥を睨んだ。 私自身、何故睨んだのか分からない… 「いや。美和が俺の美b…「それは無い。安心しろ。」 私は、凌弥がろくでもない事を言いそうになったのを制した。 『生徒の皆さん! ちゃんと自分の席に着いて下さい!!』 先生が、周りの生徒を注意する。 その後に電車は発車した。 窓から見える風景が、ゆっくりと後方に流れて行く。 私は、それをボンヤリと眺めていた。 次第に、自分の住む町が遠ざかってゆくのを… これから、あんな出来事が起こることなど知らずに…
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