事故

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電車が駅を発車して、既に三十分は経過しただろう。 目的地の『濱が丘駅』まで、あと二駅だ。 『もうすぐで駅に着くので、忘れ物をしないようにして下さい。』 先生が生徒達に呼びかける。 私は、鞄の中をチェックしてちゃんと入っているかを確認した。 「美和、カメラってコンビニで買ってもOKかな?」 「さぁ?何で?」 「いや…カメラ買うの忘れちゃって…」 苦笑いする姫禾。 「はぁ~… そーゆーのは、委員長に聞きなさい。 ほら、目の前にいるし…」 私は、半ば呆れながら向かいに座っている委員長の裕真を指さした。 すると裕真は「何で俺?」と言いたげな表情を私に向けたが、すぐに姫禾の質問に答えた。 「カメラは、先生に許可貰ったら買えると思うぜ?」 「まじ?分かった~有難う!!」 嬉しそうに微笑む姫禾。 『次の停車駅は、濱が丘~』 電車内に、停車駅を告げるアナウンスが流れた。
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