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「姫禾、これで止血して!!」
私は直ぐに戻って姫禾にタオルを渡す。
「分かった!!大丈夫?李那??」
姫禾は私からタオルを受け取ると、李那の腕にタオルを巻き付けた。
「ありがとう、二人共。」
微笑みながら言う李那。
「でも手当しなきゃ…
美和、救急箱探してきて??」
「分かった!!」
私は踵を返して救急箱を探した。
けど…
「無い…!!」
先程先生が座っていた筈の席には、先生の変わり果てた姿以外何も無かった。
もしかしたら、堕ちた衝撃で外に出たのかも知れない…
私は大きく割れている窓によじ登って外に出た。
辺りは何処を見渡しても木だけ…
上を見上げると、ガードレールが歪んでいるのが見えた。
崖はそれ程高くはない…
登ろうと思えば登れると思うが、急過ぎてとても登れない…
「美和!?お前、大丈夫なのか??」
下の方から聞き慣れた声がした。
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