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外に出た私達は、ゆっくりと下に降りた。
下には、凌弥達三人が居た。
「あんたら、怪我してないの?」
私は問い掛けた。
「いや、俺と裕真は無傷だけど…
梓が頭ぶつけたみたいで、少し休んでるんだ。」
凌弥が心配そうに梓を見る。
梓は先程と同じく、木陰で休んでいた。
「ねぇ、そう言えば…由夏は??」
李那が辺りを見渡す。
「谷川か?あいつならまだ見てないぜ??」
「そう…」
裕真の返答に、表情を暗くする李那。
「でも、もしかしたらウチらよりも早く目が覚めて助けを呼びに行ったのかも!!」
姫禾が必死にフォローする。
「そうだよね!!」
すると、さっきまで暗かった李那の表情は、少しだけど明るくなった。
「此処に居ても仕方ねぇ…
俺らも助けを呼びに行こうぜ?」
「そうだよね!!」
「じゃあ、行こう。
梓、立てる??」
凌弥の提案に皆が同意した。
姫禾は、梓に近づいて問い掛けた。
「俺は大丈夫。」
皆に心配をかけないようにと、微笑む梓だが、顔が辛そうだった。
「そうか…じゃあ、行こうぜ!!」
私達は、六人で少し薄暗い林の中に足を踏み入れた…
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