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ガサガサ…
自分の腰ぐらいまである草を掻き分けて歩く事約五分…
私達は、梓の見つけた建物の近くまで辿り着いた。
その近くにも、家のような建物がポツポツと建っていて、まるで一つの集落…村のようだった。
「人…居るかな??」
不安そうに呟く姫禾。
確かに、建物は建っていても、人の居る気配が全くないのだ…
ハッキリ言って…怖い感じがした…
「大丈夫だよ水嶋さん。」
姫禾に優しく言う梓。
「そうだよ姫。梓の言うとおりだよ!!」
そう言うものの、どこか不安そうな表情を浮かべる李那。
「なぁ美和…此処、なんかおかしくねーか?」
凌弥が小声で私に呟く。
「うん、あたしもそう思った…
なんか、人の気配が無いってゆーか…」
私はそう言いながら、周りを見渡した。
薄く霧がかかっているが、さっきよりは結構辺りの様子は見える。
私はふと、一軒の家に目を止めた。
誰も居なく、古い家なのだが、何故か目を止めたのだ…
【行っては駄目…】
そう思っていた筈なのに、私は何故か、その家に足を踏み入れてしまったのだ…
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