静寂の闇

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「先……生?」 そう、向こうからこちらへ向かって来た影は、紛れもなく私達の学校の先生だった… でも、その姿は既におかしかった… 先生の腹部には、鋭く尖った木の枝が突き刺さっていて、背中から皮膚を貫いていた。 明らかに、立てるわけがない重症… そして足… 足には、太ももから膝にかけて引き裂かれたような傷があった。 切傷はパックリと開いていて、血が止めどなく流れている… 歩けるのが不思議なくらいだ… さらに、手にはコンバットナイフが握られていた… 「先生…大丈夫…ですか?」 凌弥が、恐る恐る声を掛ける。 すると先生は急に顔を上げた。 そして、ニヤリと不適な笑みを浮かべ… 『……皆殺シ……』 そう呟いた… 【殺される……!!】 私は思った。 「逃げるよ!!」 私は、皆に呼びかけた。 皆は私の言葉に即座に反応し、踵を返して走った。 『逃ガサナイ…』 後ろからそう聞こえた… 後ろを振り向くと、あんな重症を負っているにも関わらず、凄いスピードで走ってくる先生の姿があった。 「梓、二手に別れよう!!」 「分かった!! 後で、バスの所で落ち合おう!!」 私達は、二手に別れる事になった。 「美和、こっちだ!!」 私は凌弥に手を引っ張られ右の道を行った。
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