彼の日常Ⅲ

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クロ「まったく……翼はバカなのか、器が大きいのか分からんの」 翼「おいおい、俺が復讐とかするガラだと思うか?それに今の俺は平凡な高校生と落ちこぼれのギルド員。正体がバレなければ別に誰からも追いかけられないし、殺されもしない。もし復讐なんかしたら逆に危険が大きくなるだけだ」 クロ「……ふむ……確かに一理あるの」 翼の説明に納得したのか、うんうんと相槌を入れるクロ。 翼「クロも平和な日常って奴をあじわいたいだろ?」 笑顔でそう尋ねながら、翼はクロの頭を撫でる。 クロ「平和か……うぬ。それもいいの」 翼「よし。なら契約だな」 クロ「いや、もうしておる。右手の掌を見るのじゃ」 翼は言われた通りに見てみると、そこには黒い狐のマークがつけられていた。 翼「はやっ!?」 クロ「儂は早いのがウリじゃからな♪」 頭を撫でられながらも、どこか誇らしげなクロ。 翼「よし、じゃあお前に紹介したい奴らがいるんだ」 頭を撫でるのを止めて笑顔でそう言った翼は、哀歌達がいる場所に戻って行く。 クロ「お、おい翼待つのじゃ」 クロはその後をトコトコとついて行った。
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