彼の日常

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ジリリリリリリリ!! とある1Kの少し古いアパートの一室に、近所迷惑になるぐらいうるさい昔ながらの目覚まし時計がなっていた。 ジリリリリリリリ!!カチャ…… 時間が過ぎて目覚まし時計が止まると、すぐそばにしかれてあった白い布団がごそごそと動く。 ???「…眠い……」 そんな愚痴を述べながら中から、黒い無地のパジャマを着た少し垂れ目の少年が芋虫のように這いずり出てきた。 この少年の名前は佐藤 翼(サトウ ツバサ)。この世界では何処にでもいそうな名前である。 翼「……学校か……めんど……」 翼は立ち上がってまた愚痴ると、テキパキと布団を折り畳んで部屋の隅におく。実は翼は今年の春から『桜風高校』(サクラカゼコウコウ)に転入しているのだ。 翼「腹が……」 お腹を押さえてぼやくと、キッチンへとよろよろと歩く。そして置いてある冷蔵庫から食材をかき集め適当にハムエッグと野菜サラダの簡単な朝食を作る。 それを適当に皿に載せ、キッチンから先程の部屋へと戻り、中くらいの折り畳み机を出す。 翼「いただきます」 十分後、翼は朝食を全て食べ終わり、キッチンに皿を持って行き簡単に洗う。 洗い終わると翼はゆっくりとしたペースで、学校に行く為に着替えとカバンの荷物を確認する。 翼「うぅ……いってきま~す♪」 さっきまで元気の無い疲れたような声が、嘘のように明るくなると翼はカバンと靴を履き家を出た。
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