彼の日常

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翼(それにしてもなんで哀歌は俺としか話しをしないんだ?……もしかして……好意がある?……いや、自惚れ過ぎたな……だがそうだった場合どうにかしてゼロに好意を向けないと……) そんな事を思いながら翼は哀歌を仰視する。本を読んでいた哀歌はそんな翼に気づいたのか本を閉じて不思議そうに翼を見つめる。 翼「……?どしたの~?」 哀「それは私の台詞ですよ。なんで翼は私をずっと見つめてるんですか?そんなに見つめられたら本も読めなくなります……」 恥ずかしそうに顔を赤らめて苦笑いをしながら哀歌は翼に話す。 翼はあ~っと言って納得するとすまなそうに頭を下げる。 翼「ごめんね~哀歌の気持ちも考えないで~」 少し声のトーンを下げて謝ると哀歌は驚いて手を横にブンブンと振りながら必死に顔を上げるよう頼んだ。 流石にそう言われると翼も従うしかないのか頭を上げる。 哀歌「ふぅ……それでなんで翼は私を見てたのですか?」 翼「いや~なんで僕としか話さないのかな~と思って~」 そんな突然の問いに哀歌は真面目な表情で目を閉じ考える。 数分すると閃いたのか目を開き翼に視線を向ける。 哀「……翼と話をしてると……なんて言うのでしょう……退屈しない……からですかね」 哀歌自身もよく分かっていないのか頭を傾げ不思議そうな表情でそう答える。 翼「ふ~ん」(……まぁ大丈夫か……) 洋「翼、何の話だ?俺も混ぜてくれよ!!」 翼が頷いていると横から暇そうにしていた洋輔が参加してきた。 翼「いや~何で哀歌は他の人と話さないのかな~?と思って~」 のほほんと洋輔に話しかける翼。 洋「そんな事かよ!!……でも言われて見ればなんでなんだ哀歌様?」 手を顎につけて洋輔は哀歌の方に向いて聞いてみる。 何故、洋輔が哀歌の事を“哀歌様”と呼ぶのかと言うと本人曰く「だって学校のアイドルだぜ!!‘様’位は当たり前だろ!!」らしい。 ちなみに洋輔は四桜のファンクラブに入っている。
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