彼の日常

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そう思った翼であったが、あまり深く考えてもバカバカしいのでグラウンドに行く準備をする。 翼「さぁ~行くかな~」 そう言うと教科書を持って机から立ち上がる翼。 そんな時、不意に後ろから肩を叩かれた。 翼「?」 翼は誰が叩いたのかを確認するために後ろを向く。そこには悲しそうな顔をした哀歌が立っていた。 哀「翼……あなたは悔しく無いのですか?」 悲しげにそう問いかける哀歌。だが翼は何を言っているのか分からないので首を傾げる。 翼「何が~?」 哀「あんな奴らにバカにされている事です!!」 哀歌は楽しげに会話しているミアと茉莉を指さして翼に少し怒鳴るように言う。 すると翼は苦笑いしながら頭をかく。 翼「悔しいけど反論は出来ないよ~。初級魔法が使えなきゃ落ちこぼれって言われてもしょうがないしね~」 哀「そう……がっかりしました……あなたの態度に……」 そう怒鳴ると哀歌は悲しそうに教室から走って出て行った。 その後ろ姿を翼は固まったように見ていた。 翼(……マズい……このまま俺が変わらなかったら後々厄介な問題になる……) そう考えた翼はしょうがなそうに溜め息を吐く。 翼(しょうがない少し早いが次のステップに移行するか……) そう決心すると翼は教科書を持って一人教室から出て行った。 嘉「全員いるか~?」 翼が教室から出て行って十分後。2-A生徒全員はグラウンドに集まっていた。
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